LINE公式アカウントを開設しても、友だちが増えるだけで再来店につながらない、という悩みは少なくありません。配信を増やす前に整えたいのは、「友だちになった人に何を伝えるか」「来店後にどんな案内を届けるか」「予約までスムーズに進めるか」という3点です。
この記事では、友だち追加の直後、来店後、定期配信の3つに分けて、再来店につなげる配信内容の作り方を整理します。LINE公式アカウントの機能はLINEヤフー for Businessの公式マニュアルで2026年10月20日に確認した内容にもとづきます。管理画面の名称や仕様は変更されることがあるため、実際の操作は運用中の画面でも確認してください。
再来店のためのLINEは、何を目指す?
再来店を目的にしたLINE運用は、「次に来る理由」と「予約の入口」を、お客様が使いやすい形で届けることです。毎回割引を送るのではなく、営業時間の変更、季節のメニュー、予約の空き状況など、お客様が実際に役立つ情報を軸にします。
配信のタイミングを3つに分けると、役割が整理しやすくなります。
| 場面 | 目的 | 伝える内容の例 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 友だち追加の直後 | 何が届くかを知ってもらう | 配信内容の予告、予約・問い合わせの入口 | リンクがスマホで開くか |
| 来店後 | 次に来る理由と予約方法を伝える | お礼、次回のメニュー選びの案内、予約リンク | 来店履歴を断定していないか |
| 定期の配信 | 営業時間やメニューの更新を知らせる | 営業時間の変更、季節のメニュー、空き状況 | 対象と期限が正しいか |
友だち追加後、最初に何を伝える?
友だち追加直後は、配信する内容と予約・問い合わせの入口を短く案内します。たとえば「営業時間の変更、季節のメニュー、予約の空き状況をお知らせします。予約はこちら」といった形です。特典を約束する場合は、対象・期限・利用条件が確定してから記載します。
LINEヤフー for Businessのマニュアルでは、あいさつメッセージは、ユーザーが友だち追加をしたときに送られるメッセージで、アカウントの紹介やクーポンの配布などに使えると説明されています。設定にあたって、次の点が案内されています。
- 「はじめて友だち追加されたときにのみ送信」をオンにすると、ブロック解除後の再送を防げる。ただし、状況によっては初回かどうかが正しく判定されない場合がある。
- 管理アプリ版では最大5つの吹き出しを設定できる。
- 友だちの表示名を差し込む変数を使うと、友だちでないユーザーやプライバシーポリシーに同意していないユーザーなどには送信されない場合がある。
- 保存後に送信されるあいさつメッセージに変更が反映され、すでに送信されたメッセージは変更されない。
つまり、表示名を差し込む工夫をする場合も、差し込みがなくても意味が通る本文にしておくと安心です。また、あいさつメッセージを直したときは、直したあとに友だち追加された人から新しい内容になる点を覚えておきます。出典:LINEヤフー for Business:あいさつメッセージ(2026年10月20日確認)。
友だち追加を案内する場面を決める
友だち追加は、お客様が自分で見つけるのを待つだけでは増えにくい面があります。会計時や施術後、予約完了後の案内など、店頭で声をかけやすい場面を決めておきます。このとき、友だち追加でどんな案内が届くのか(営業時間、予約の空き状況、メニューの更新など)を一言添えると、お客様も判断しやすくなります。割引だけを前面に出す必要はありません。
来店後のフォローは何を送る?
以下は架空の店舗を使った文例です。美容室なら「ご来店ありがとうございました。次回のメニュー選びに迷ったら、前回の施術内容を見ながらご相談ください。予約はこちら」。飲食店なら「季節メニューを更新しました。内容と営業時間はこちら。席の予約はこちら」。個々の来店履歴を確認できない一斉配信では「先日はご来店」と断定しません。
最初から値引きだけを連続して送るのではなく、営業時間の変更、メニューの更新、利用前の疑問に答える案内を優先します。予約先が古い、対象外の人にクーポンが届く、配信先を取り違えるといった誤りを防ぐため、送信前に本文・リンク・対象・期限を確かめます。
業種別の配信内容の考え方(架空の例)
| 業種 | 来店後の案内の例 | 注意すること |
|---|---|---|
| 美容室 | 次回のメニューの選び方、担当者の空き枠への案内 | 施術の仕上がりや効果を保証する書き方にしない |
| 飲食店 | 季節メニューの更新、営業時間、席の予約 | 提供できない商品や、売り切れの案内を載せない |
| 小売店 | 入荷した商品、営業時間の変更、取り置きの案内 | 在庫や取り置きの可否は、実際に対応できる範囲で書く |
どの業種でも、「来店してくれてありがとう」だけで終わらせず、次にお客様が取れる行動(予約、問い合わせ、メニューを見る)を一つ添えると、配信の目的がはっきりします。ただし、行動を求める文章は一つに絞り、押しつけにならない書き方を心がけます。
配信の頻度と対象はどう決める?
一律の最適回数はありません。まずは「何を知らせる必要があるか」を決め、内容がない週は無理に送らない運用にします。全員に関係する営業時間の変更と、特定メニューの案内は分けて考えます。
LINEヤフー for Businessのマニュアルでは、配信先は「すべての友だち」か「絞り込み」から選べると案内されています。絞り込みについては、次のような条件が記載されています。
- 属性での絞り込みには、ターゲットリーチ数が100人以上必要。
- 作成済みのオーディエンスを配信先に設定でき、上限は10個。
- 配信前にターゲット推計が表示されるが、実際の配信数と差が出る場合がある。
- 属性情報は概ね3日前の情報をもとにしている。
友だちの数が少ないうちは、属性での絞り込みが使えないことがあります。まずは「全員に関係する案内」を中心にし、友だちが増えてから、配信先を分けるかを検討する進め方が現実的です。出典:LINEヤフー for Business:メッセージ配信を作成する(2026年10月20日確認)。
1回の配信に入れる内容を絞る
同じマニュアルでは、1回の配信に入れる吹き出しは最大3つ、メッセージの種類はテキスト、画像、音声、動画、スタンプなどと案内されています。また、短縮URLの使用は推奨されていません。
吹き出しを増やすより、伝えたいことを一つに絞るほうが、読み手には分かりやすくなります。たとえば「季節のメニューの更新」を伝えるなら、1つ目に概要、2つ目に営業時間、3つ目に予約リンク、という程度に抑えます。
配信前と配信後に何を確認する?
- 配信前:リンク先がスマホで開き、予約や問い合わせを最後まで進められるか。
- 配信前:配信先、送信日時、価格や特典の条件が正しいか。
- 配信後:配信・クリックなど管理画面で確認できる反応と、実際の予約・再来店を分けて記録する。
- 改善時:反応が弱い場合は、送信回数を増やす前に内容、対象、着地ページを見直す。
公式マニュアルには、配信前にテスト配信ができることも案内されています。テスト配信の宛先は、ビジネスIDの連携状況によって、連携済みの管理者・運用担当者などに限られます。そのため、運用担当者が複数いる場合は、誰がテストを受け取って確認するかを決めておきます。
予約配信を使うときの注意
配信日時を予約すると、あらかじめ原稿を作っておけます。ただし、マニュアルには、混雑状況により設定時間どおりに配信されないことがあるとされています。「00:00」「12:00」のような区切りの良い時刻は避け、時刻をずらす方法が案内されています。来店の直前に届けたい案内(当日の空き状況など)は、余裕をもった時刻に設定します。
また、管理画面の「更新日時」は作成・編集した日時で、実際の配信日時とは異なる場合があります。「配信日時」は配信処理が完了した日時です。配信できなかったメッセージは「配信エラー」に表示されるため、予約した配信が実際に届いたかを、配信後に一覧で確認する習慣を付けます。出典:LINEヤフー for Business:メッセージ配信を作成する(2026年10月20日確認)。
送りすぎや誤配信を防ぐ運用ルール
再来店を狙った配信ほど、送りすぎや誤りがあると、友だちのブロックにつながりかねません。次のような運用ルールを、店舗内で簡単に決めておくと安心です。
- 配信の目的を一つに絞る(営業時間の変更、メニューの更新、予約の空き状況など)。
- 内容がない週は配信しない日を作る。
- 配信前に、本文、リンク、対象、期限を別の人も確認する。
- 特典は、対象・期限・利用条件が確定してから載せる。
- 個人が特定できる情報や、個別の来店履歴を前提にした表現を、一斉配信に入れない。
- 間違えて配信したときの対応(訂正の案内を出すか、直接連絡するか)を決めておく。
たとえば、期限切れのクーポンのリンクを載せたまま配信すると、お客様は予約の段階で戸惑います。リンクの確認は、配信の直前だけでなく、予約配信にした場合は当日にも見直すと安全です。
配信の結果をどう見る?
配信の反応は、管理画面で確認できる範囲と、店舗側の記録で確認する範囲に分かれます。配信数やクリックなど、管理画面で見える数字は、「読まれたか、押されたか」を知る手がかりです。再来店につながったかは、予約の記録や来店時の確認など、店舗側の情報と照らして判断します。
| 見るもの | どこで確認するか | 限界 |
|---|---|---|
| 配信の反応(クリックなど) | LINE公式アカウントの管理画面 | 予約や来店が成立したかは分からない |
| 予約の件数 | 予約システム、電話・LINEの記録 | どの配信がきっかけかは、聞き取りなどで補う必要がある |
| 再来店 | 店舗の来店記録、お客様への確認 | LINE以外の理由で来店した場合も含まれる |
配信数だけを成果にすると、友だちが増えても予約が増えないという状態に気づけません。月に一度、配信の内容と、予約・再来店の記録を並べて見直し、次の月に変えることを一つだけ決める、という小さな改善から始めます。
自社で運用するか、相談するか
月々の情報更新と予約リンクの点検を担当できるなら、まず自社で小さく始められます。配信内容、対象の分け方、予約後の計測まで一緒に設計したい場合は、LINE活用支援の内容を確認してください。配信数だけを成果にせず、来店につながったかを店舗側の記録と照合します。
| 状況 | まずの進め方 |
|---|---|
| 友だちが少なく、配信内容も固まっていない | あいさつメッセージと、月1〜2回の営業時間・メニュー更新の案内から始める |
| 配信はしているが、予約につながっているか分からない | 着地ページの予約画面と、予約の記録の取り方を見直す |
| 配信内容や対象の分け方、計測まで設計したい | 外部の支援も含めて設計を相談する |